薩摩の國から

地域づくりを中心に様々なテーマについてまとめていきます。

2021年秋学期@UCLA公共政策修士課程【総論:純ジャパのサバイバル戦略】

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Monument Valley John Ford Point(2021/11撮影)

2021年秋学期@UCLA公共政策修士課程の振り返り。

純ジャパ(入学前TOEFL99点)のサバイバル戦略について。

※上記の英語力を踏まえた自分なりの対応方法です。より英語ができる方は他のやり方があると思います。

・1週間のスケジュール(例)

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最初の学期ということを踏まえ、控え目な履修にしました。

ミクロ経済学理論の原理 1(Principles of Microeconomic Theory 1)必修科目

・政策分析の統計的手法 1(Statistical Methods of Policy Analysis 1)必修科目

・デジタルガバメント(Digital Government)選択科目

 

・課題1:英語が聞き取れない

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The View Hotelからの眺め①(2021/11撮影)

英語が聞き取れない原因は、①音声認識不足、②語彙不足の2点だと考えています。

音声認識不足

英語教材で耳にする英語音声と、海外で実際に耳にする英語音声(いわゆる生英語)は大きく異なります。後者の方が省略や音声変化に富んでいて、当初、悲しいくらい聞き取れませんでした。

 

そのギャップを埋めるため、夏休みは、ネイティブスピーカーの音声変化に特化した「モゴモゴバスター」という教材に取り組み、秋学期は、The EconomistなどのYouTube動画に関連した宿題が多かったので、その英語音声を丁寧に聞くようにしていました。

英語音声変化リスニング教材 | モゴモゴバスター (mogomogobuster.com)

 

また、授業中は、保険として、英語音声の文字起こしアプリ「Otter」を活用しました。非常に精度が高くおすすめです。「他の学生が、自分の発言案と重複するような発言を既にしたか不明で、発言ができない」という状況を打破できます。

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②語彙不足

TOEFLでは必要ないが、ネイティブが用いる英語表現は星の数ほどあります。語彙不足の場合、会話から置いて行かれることが多々あります

 

そういう意味では、「日本では出合わない、ネイティブが日常的に使用する語彙を厳選収録した英単語帳」をテーマにしているAtsuさんの「Distinction」が本当に有用でした。DistinctionⅠの400語しか取り組めていないので、DistinctionⅡ&Ⅲにも挑戦してみたいです。

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・課題2:予習が終わらない

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The View Hotelからの眺め②(2021/11撮影)

毎週大量の参考文献を読む必要があり、一つの文献を何度も繰り返し読む余裕がないという前提に立つと、英語で最初から最後まで読んだ場合、時間がかかる上に、内容の理解が浅くなる、というのが正直な感想です。

 

そこで私は、インプットは徹底して日本語で行う戦略を取りました。教える側が、生徒に求めていることは、(英語の表現に関する授業でない限りは、)一言一句読むことではなく、内容を理解することだと認識しています。

 

具体的には、

・Readingなら、「Deepl翻訳を用いる

・Videoなら、「Otterで音声書きおこしをしたうえで、「Deepl翻訳用いる

という戦略を取りました。省エネで内容理解ができます。

DeepL Pro | テキスト、Wordその他の文書ファイルをセキュアに翻訳

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なお、この戦略は、課題1の語彙不足につながる可能性があるので、余裕が出てきたら、日本語で一旦理解した上で、英文に触れるという戦略がベストだと考えています。

 

また、インプットを省エネで行う分、英語でのアウトプットに時間を割くようにしていました。

 

・課題3:授業中発言が出来ない

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Night at Monument Valley(2021/11撮影)

最難関なのは、授業中の発言。しかしながら、例えば、選択科目の「Digital Government」は、発言点が成績の50%を占めるので対策しないわけにはいきません。

 

授業中発言が出来ない原因は、①(課題1と重複するが)授業中の英語が聞き取れないこと、②予習不足、③メンタルの3点だと考えています。①は既に触れたので、ここでは②と③についてまとめます。

②予習不足

授業中、先生の質問に対し発言しようとするとき、その反応速度は、どうしてもネイティブスピーカーに後れを取ります。つまり、「発言しようと思っていたが、手を挙げるのが遅れ、他の生徒に自分の案を発言されてしまう」という事態が起きうるということです。

 

Ⅰ 視点

簡単な質問に素早く回答しポイントを稼ぐという戦略が厳しかったため、他の生徒の質問と重複しないような視点の発言案を用意するという戦略を取りました。

 

具体的には、UCLAのMPPの特徴、また、地方政府・中央政府で6年働いた経験を踏まえた戦略を取りました。

アメリカ人83%留学生17%

 →日本の事例(可能な限り自分の原体験)を引用する形で発言

・学部から直入している学生が多い

 →実務フローを想定した場合に生じる課題等について発言

・州立大学ということもあり、「州政府」を意識する学生が多い

 →連邦政府の視点や州政府同士の連携の観点から発言

 

Ⅱ オフィスアワー

上記の発言案の内容をより良いものにするため、オフィスアワー(専任教員が研究室に在室し、生徒からの質問・相談等に応じる時間)を積極的に活用しました。

 

オフィスアワーでは、自分が抱えている疑問について、一対一で先生とじっくり議論できます。私の場合、日本の事例(地方公共団体情報システムの標準化など)をよく扱いました。なお、自分の存在(日本からの留学生)を覚えてもらえるため、授業内外でサポートしてもらえるのもメリットです。

 

Ⅲ 英語

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語彙リストの一例

いくら内容が良くても、英語として伝わらなければ意味がありません

 

そこで、普段お世話になっている個人指導の先生と、以下の取組を開始しました。

・事前に、学業や日常生活で使いたい語彙を中心とした英文(週に20文~30文)を作成&録音

週に1時間、文法・語彙・発音の観点から指導を受ける

 

毎週積み重ねることで、組み合わせて発言できるようになるため、事前に準備せずとも、授業中発言できることもありました。

 

なお、個人指導の先生は私が知る限り最高の先生なので、お勧めします。

発音トレーニング英語 | アームストロング英会話 |25年のベテラン講師| 熊本市 (armstrongsensei.com)

 

③メンタル

Ⅰ 座席

「大勢の前で英語で発言するのは恥ずかしい」という思いを払しょくするため、(他の生徒の様子を見る必要がなくなるので)座席の前方に座り、教授だけを見て、予習したメモを手元に発言するという戦略を取りました。

Ⅱ 習慣化

毎回最低限1回は発言するというルールを自分に課しました。

 

結果として、「Digital Government」の発言点50点のうち、46点獲得できたので、方向性としては間違っていなかったのかなと思っています。

 

以上、サバイバル戦略3点です。

 

・成績

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全ての科目においてA+を取ることが出来、今のところ、GPA=4.0となりました。「Digital Government」の先生からは、(お世辞が含まれているとは思いますが)以下のコメントをいただき、大変嬉しく思っています。

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冬学期は、今学期よりもコマ数を増やす予定なので、引き続き頑張ります。