薩摩の國から

地域づくりを中心に様々なテーマについてまとめていきます。

2022年秋学期@UCLA公共政策修士課程【総論】

Washington Monument(2022/11撮影)

2022年秋学期@UCLA公共政策修士課程の振り返り。

・一週間のスケジュール(例)

・応用政策プロジェクトI(Applied Policy Project I)必修科目

・研究デザインと統計学入門(Introduction to Research Design and Statistics)選択科目

・プログラミングとデータマネジメント入門(Introduction to Programming and Data Management)選択科目

・外国人大学院生のための中級レベルのライティングとコミュニケーション(High-Intermediate Writing and Communication for International Graduate Students)選択科目

・政策提言プロジェクト

・全体概要

White House (2022/11撮影)

UCLA公共政策修士課程2年目の必修科目は、通年の政策提言プロジェクト(Aplied Policy Project。以下「APP」という。)。具体的には、自主的にチームを結成し、クライアントを獲得した上で、当該クライアントが抱える政策課題に対する解決策について、定量・定性分析に基づき提言を行うものです。

・秋学期の進捗

U.S. Capitol(2022/11撮影)

秋学期の主要タスクは、チーム作成、クライアント獲得、プロジェクトの概要・計画の作成です。本格的なリサーチの開始は冬学期になります。

・チーム作成

長期間を共にするため、既存の友好関係を基本とした上で、スキルや関心を考慮し、米国人3人と私の4人でチームを結成しました。秋学期は、メンバーの家庭の都合等もあり、私は、進捗管理、アドバイザー及びクライアントとの連絡役、定量分析と幅広に要所を担当することになりましたが、その分、やり甲斐を感じたところです。(特殊事情によらず)メンバーの努力が明らかに足りない場合には、都度ミーティングを開催し、役割分担の明確化をするとともに、各自の仕事量に基づくメンバー間の相互評価が成績に反映されることを強調して伝え、状況改善を図りました。

・クライアント獲得

我々のクライアントであるBuidling Skills Partnershipは、清掃員をはじめとする低賃金労働者に教育プログラム等を提供するNPO団体であり、近年、州知事からも注目を浴びています。

なお、実は、当初異なるクライアントを獲得していたのですが、内容を固めていくうちに、定量・定性データ不足が露呈したため、アドバイザーの勧めもあり、11月にクライアントの変更を行いました。他のグループに比べて大きく後れを取り、学期終盤とても忙しかったのですが、定量・定性データの見込みが立たなければ、最終局面で困ってしまうので、後悔は全くありません。

プロジェクトの概要・計画

ロサンゼルスカウンティにおける清掃員の福利厚生の利用率向上に関する政策提言を行うものです。現時点の大まかな作業計画としては、まず、医療機関データを用いた定量分析により、福利厚生の利用率が高い/低い層を特定した上で、インタビュー対象者を選定し、次に、インタビューを通じて、福利厚生を受給するにあたっての成功例や課題を整理し、政策提言を行うこととしています。なお、ロサンゼルスカウンティは、低賃金労働者が福利厚生を拡大してきた歴史が深いことから、豊富な既存研究を参照するととともに、実際の手続申請書類等をアクセシビリティの観点から詳細に分析することとしています。繰り返しになりますが、本格的なリサーチの開始は冬学期になります。

・英語でのインプット/アウトプットを意識する

The Library of Congress(2022/11撮影)

上記のとおり、APPで留学生一人であった状況を踏まえ、今学期意識したことは、なるべく日本語を介さず、英語でインプット/アウトプットすることです。

・外国人大学院生のための中級レベルのライティングとコミュニケーション( High-Intermediate Writing and Communication for International Graduate Students)

本授業は、TOEFL100点未満(私の場合99点)で入学した留学生向けの授業。本来は昨年の秋学期に履修すべきでしたが、履修重複等により、今学期ついに履修。Presentation×2回、Leterature Review, Data Commentary, Summary and Critiqueをはじめ課題の量がとても多かったのですが、昨年習った内容(例:海面上昇対応、地域経済発展理論)を英語でインプット/アウトプットするという戦略を取ったため、適度な負担感で、良い学びを得ることが出来ました。特に昨年履修した地域経済発展理論の論文を踏まえた、COVID19が都市集積に与える影響についてのLiterature ReviewやPresentaionの出来には満足しています。

presentation feedback from my classmates

また、DeepLやGrammarlyでは補足できない英語のルールや細かいニュアンスが実に多いという新たな気づきがありました。成績の大半がライティングに左右される授業で昨年A-になってしまった理由がよくわかった気がします。そういう意味では、本授業は昨年の秋学期に履修すべきだったのかもしれません。

・研究デザインと統計学入門(Introduction to Research Design and Statistics)

Lincoln Memorial(2022/11撮影)

本授業は、昨年学習した内容と一部重複がありましたが、大きく異なっているのは、履修している学生にPhD生が多く、また授業はほぼディスカッションで構成されていることです。定量分析に関して、英語でのインプット/アウトプットの練習をしたいという目的を一定程度果たすことが出来たと考えています。

・(番外編)APPAM 会議とキャリアツアー

US Capitol(2022/11撮影)

番外編ですが、今学期は、幸いにも選好通過し、以下リンクの学会に参加するとともに、Google、Open Gov, US Capitol(米国議会議事堂)、The Library of Congress(議会図書館)等へのUCLA公共政策大学院主催の卒業生訪問ツアーに参加しました。ワシントンDCは、総じて、とても美しく、歴史があり、(車社会のロサンゼルスとは異なり)街歩きが楽しい街という印象を持ち、人生初の米国東海岸訪問は、大変貴重な機会になりました。

#2022APPAM - Cross-Disciplinary Perspectives - 2022 Fall Research Conference | APPAM

・成績

成績は以下のとおり。

・応用政策プロジェクトI(Applied Policy Project I): S

今学期の成績はSatisfactory/ Unsatisfactoryグレードであり、GPAには反映されません。本格的なリサーチが開始する冬学期から、Letterグレードになり、GPAに反映されます。

 

・ 外国人大学院生のための中級レベルのライティングとコミュニケーション(High-Intermediate Writing and Communication for International Graduate Students): A+

2年目ということもあり、授業では欠かさず発言し、提出物も精査を重ねたので、満足の結果です。

 

・研究デザインと統計学入門(Introduction to Research Design and Statistics): A

提出物と持ち帰り試験は、全てほぼ満点でしたが、残念ながら、本授業ではA+は算出しないようです。

 

・ プログラミングとデータマネジメント入門(Introduction to Programming and Data Management): A

定量分析スキルを高めたい、Rプログラミングを学びたいという目的から履修。提出物は、現時点で判明している限りでは全てほぼ満点です。

なお、累計GPAは、3.954(7A+'s, 4A's, 2A-'s)です。成績が全てではありませんが、上位数%とされるA+が最多であることに一定程度満足しています。

 

引き続き頑張ります。