先日は、石川県金沢市で、シナジーコンサルティング株式会社代表取締役の河上伸之輔さまにお話伺いました。仕事に対する考え方、新しいアイデアの生み出し方など、共感することばかり。
【ご略歴】
２０３０SDGs公認ファシリテーター
証券会社、Ｍ＆Ａコンサルティングファームを経て３０歳で起業。「誰もが挑戦できる社会を創る」をビジョンに、コワーキングスペースの運営、クラウドファンディングサービスの運営を行う。事業の相談にのりながら自身でも複数の事業を立ち上げ、世界で２番めにおいしい焼きたてメロンパンアイスは国内５０店舗５カ国に展開。現在、代表６社、出資先１２社、１００以上の立ち上げに関与。メイン事業である不動産賃貸業では、アパート・マンション・ビル・リゾートホテルなどを所有。
・「自立して楽しく働く仲間を増やす」
河上さんのビジョンは、「自立して楽しく働く仲間を増やす」。
30歳の時点でお金のために働く必要がなくなったからこそ、残された時間で何をすべきだろうかと自問自答なさる中で、
多くの方が感じている「仕事のつまらなさ」を打破したい、自立した精神で楽しく働く人を増やしたいと思われたそうです。
お金のためではなく、本心から仕事に向き合ってらっしゃることが、ひしひしと伝わってきました。
３０歳の頃には、贅沢しなければ生きていけるだけの不労所得を手に入れることができ、サラリーマンをセミリタイアしました。
当時は３歳と０歳の娘と遊んだり、プチ自給自足生活や、家族をおいて東南アジアを放浪しました。たくさんの本を読み、たくさんの人と出会い、いろいろな経験をしました。
そして、辿りついた幸せの５つの要素があります。
- ある程度のお金
- 自由な時間
- 健康
- 豊かな人間関係
- 使命
サラリーマンの頃は仕事に悩むこともありましたが、給料以外の収入を得て少し精神的なゆとりができました。
生活費を超える不労所得を得られた時には、仕事への考え方が変わりました。仕事はお金を稼ぐためのものだけではなく、自分を成長させ、人に喜んでもらえるものだと。そんな仕事の本質に気付くことができ、僕の人生はすごく幸せなものになりました。生活するために仕方なく働いている人も多くいると思います。でも、自立した精神で働くことができれば、仕事は喜びに変わるのだと思います。
自立して楽しく働く仲間を増やしたい、それが僕の起業の動機です。
・新しいアイデアを生み出すコツ
新しいアイデアを生み出すコツは、「組み合わせ」。
そのために、本、人、旅などあらゆる手段を用いて、情報収集なさっているとのこと。
「情報は一つ一つがパズルのピース。一見、使い道がなさそうなものにこそ、面白さを感じる。」というお言葉が印象的でした。
この点については、私も深く共感していて、人にお会いする度、おすすめの本、人、旅について伺うようにしています。
ちなみに、河上さんの場合、稲盛和夫の「生き方」、落合陽一の「日本再興戦略」、ドイツのフライブルグのまちづくり等が最近のオススメとのこと。
・家賃あ～と払い
組み合わせによって生まれたアイデアの一例が、「家賃あ～と払い」。
これは、所有しているアパートの空き部屋をアーティストに貸し出し、家賃をお金ではなく、自作のアート作品でいただこうという取組。
これは、
①不動産賃貸業者として、アパートの空き家を埋めたい。
②アーティストは、創作によって生計を立てたい。
③若い作家が挑戦できるまちにすることで、金沢自体の魅力が向上させたい（しいては物件の価値向上につながる）。
④経営者として、アートに触れることで、右脳的な思考、感性を磨きたい。
等の組み合わせによって、生まれたアイデアとのこと。
今後は、家賃として受け取った作品の販売拡大や、あ～と払いの家賃以外への拡大など、検討されるとのことです。
①家賃として受け取った作品を売る方法を考えていく
ギャラリースペースを作ったり、個展を開いたり、ネットで売ったり。販売していくことができると、もっとたくさんの物件であ〜と払いが可能になりますし、空室で困っている他の大家さんにも仲間に加わっていただけそうです。
②あ〜と払いを家賃だけではなく他の分野に拡大
最終目標は「アーティストを労働から解放する」ということです。
好きな作品を作り続けることで、生きていくための心配をしなくて済む社会。
そのためには「住」だけでなく「衣・食」や、その他の分野にも拡大していきたい。
どんな取組になるのか、とっても楽しみです。
