薩摩の國から

地域づくりを中心に様々なテーマについてまとめていきます。

オススメの10冊 vol.2

f:id:naokils0546:20161002113244j:plain

オススメ本10冊、vol.2をご紹介。

第10位「バリアバリュー 障害を価値に変える」

バリアバリュー  障害を価値に変える

車椅子から見える高さ106センチの視点という、他の人とは違う視点を生かし、ユニバーサルデザインという市場で、設立6年目にして、年商2億円の企業に成長した株式会社ミライロ代表取締役、垣内氏の著書。

 

「バリアバリュー」とは、「バリア(障害)」を「バリュー(価値)」に変えること。

 

自分の「弱み」を「強み」に変えること、見方を変えることは、決して簡単ではなく、本書においても、筆者が「障害」に挑み、もがき苦しみ、自ら命を断とうとした場面について言及されています。

そこから、様々な出会いや出来事を経て、視点を変えるまでに至った筆者の思考の深さ、姿勢には驚くばかり。

人間誰もが「弱み」を持っているものです。その「弱み」を「強み」にする発想の転換のヒントが得られる本だと思います。

第9位「県庁そろそろクビですか?」

県庁そろそろクビですか?: 「はみ出し公務員」の挑戦 (小学館新書)

本書の著者、円城寺氏は、全国初の救急車でのiPad活用ドクターヘリ導入で中心的な役割を果たした佐賀県庁職員。

 

現場を見て自分の頭で考え、自分の想いに素直に行動し、逆境に負けずに変革を実行していく姿に、心揺さぶられるものがありました。

 

印象に残ったのは、変革を実行する上でも、前例既存制度を学ぶことを重要視していたこと。現実を直視した上で考えることのできる方なのだと思います。働く中で、過去を学ぶことの重要性を感じることが多かったので、非常に共感しました。

「これまでやってきた前例や既存の制度を頭から否定してはいけない。たしかに時代に合わなかったりおかしいところもあるかもしれない。しかし、それもこれまで先人たちが汗と涙でつくり上げてきた積み上げなのだ。それは経験や教訓の塊であり、過去すべての人たちがより良い社会を生きたいと血のにじむような努力をしてきた願いや祈りなのだから、まずはしっかりと前例既存制度学ぶこと。」

第8位「生物と無生物のあいだ」

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

この本は、「生物とは何か」という問ついて、

ワトソンとクリックによるDNA構造の発見をはじめとして、

様々なエピソードを交えながら、美しい文体で描かれています。

 

印象的だったのは、生物学の面白さに加え、筆者の研究者としての姿勢が非常に学びになるということ。

 

「知的であることの最低条件は自己懐疑できるかどうか」という筆者の言葉が胸に刺さります。

 

是非ご一読下さい。

第7位「人口18万人の街がなぜ美食世界一になれたのか」

人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか―― スペイン サン・セバスチャンの奇跡(祥伝社新書284)

サンセバスチャンとは、スペインバスク地方にある人口18万人の小さな街。

たった10年で世界一美食の街へ上り詰め、現在、人口1人あたりのミシュランの星数は最多。本文冒頭からグッと引き込まれます。

スペイン・バスク地方にある人口18万人の小さな街、サン・セバスチャン

いま、ここは世界中から美味しいものを求めて人が集まる「美食世界一の街」として知られる。かつては高級保養地として知られたが、世界遺産などの観光資源もとくになかったため、この地を訪れる観光客は低迷していた。

そんな街がなぜ、たった10年ほどで変われたのか。

その背景には、美食を売りに出す徹底した地域戦略があった。サン・セバスチャンでは、あたかもシリコンバレーIT産業に特化したように、料理を知的産業として売り出そうとしているのだ。

製造業だけでは限界にきている日本の活路は観光業にある。そうしたなかで、世界を旅する高城剛が、いまもっとも注目する街が、ここサン・セバスチャンである。日本が観光立国となるために、サン・セバスチャンに学ぶことが多くあるはずだ。(本文冒頭)

成功の秘訣は、お互いの店のレシピ公開したこと。

 

通常なら他店に負けないために、自分の店のレシピを隠すのが当然です。

しかしながら、本事例の場合は、レシピをお互いに教え合い、地域全体の食のレベルが上がる方が、結果として各々の店に利益をもたらすはずだという判断が下されたところが非常に印象に残りました。

 

オープンイノベーションの成功事例といっても過言ではないでしょう。

ワクワクが止まらない本です。

第6位「農で1200万円」

農で1200万円! ――「日本一小さい農家」が明かす「脱サラ農業」はじめの一歩

日本で一番小さな専業農家「風来」の西田栄喜氏の著書。

 

借金、補助金、農薬、肥料、ロス、大農地、高額機械、宣伝費すべてなしで、

年間売上1200万円(利益600万円)を稼ぐ秘訣が記された一冊。

 

一つ一つの戦略にバーデンダー、オーストラリアへの遊学、ホテルマン等の経験を生かした哲学が存在しており、納得できる考えばかり。

 

「小さい農」だからこそ、「リスク最小限で挑戦し、結果を踏まえて修正する」というサイクルが可能になっていることも大きく寄与しているのだと思います。まさに西田氏のおっしゃる「スモールメリット」です。 

 

農業だけでなく、マーケティング、働き方など様々な学びになる本です。

第5位「暗号解読」

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

皆さんは、情報化社会に生きる私たちにとって、暗号必要不可欠であることをご存知でしょうか。

 

本書は、古代文字の解読から、エニグマ、そして量子暗号までの様々な「暗号」について、筆者が、分かりやすく感動的に描いています。

サイモン・シンは、人間の営みということにぴたりと焦点を合わせた。本書を読み進めるにつれて、暗号そして暗号解読は、人間の欲望や生き抜くための必死の努力から生まれたものであることに気付かされるであろう。そして、シンの手にかかると、血なまぐさい謀略や裏切りの連続であるはずの暗号の歴史が、卑小も偉大もひっくるめた愛すべき人間の営みとして浮かび上がってくるのである(本書より引用)

個人的には、どのようにして古代文字を読み解くことが出来たのか、というエピソードが好きです。 

第4位「日々是好日ー「お茶」が教えてくれた15の幸せ」

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

本書は、筆者が25年間のお茶稽古を通して得た様々な「気づき」が凝縮された1冊。

すっと心に染み入る言葉に溢れており、非常に満足感が高い本です。

私たちは、ますますわからなくなるお点前を繰り返しながら、和菓子を食べ、道具に触り、花を眺め、掛け軸から吹いてくる風や水を感じた。

という季節を、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の五感ぜんぶで味わい、そして想像力で体験した。毎週ただひたすら。

やがて、何かが、変わり始めた・・・・・・。(本書より引用)

日々是好日」とは、「天気の日も雨の日も、すべていい日」という意味。

「人間はどんな日だって楽しむことが出来る。そして、人間は、そのことに気付く絶好のチャンスの連続の中で生きている。」という筆者の「気づき」が伝わってきます。

雨の日は、雨を聴く。雪の日は、雪を見る。夏には、暑さを、冬には、身の切れるような寒さを味わう。どんな日もその日を思う存分味わう。お茶とは、そういう「生き方」なのだ。(本書より引用)

加賀百万石文化が今なお息づく文化県にせっかく身を置いていることもあり、自分自身も五感を磨き、感性を高めて、大切な「気づき」を増やしていこうと思っております。

第3位「破綻からの奇跡」

破綻からの奇蹟 〜いま夕張市民から学ぶこと〜 (これからの日本の医療・介護の話をしようシリーズ1)

本書は、夕張市民が、市の財政破綻病院閉鎖にもかかわらず、健康被害もなく最後まで笑顔で暮らし、医療費減少したという事実に迫る1冊。

 

その要因について、元夕張市立診療所所長と生徒2人という講義形式で分かりやすく検証していきます。

 

キーワードは、

・市民の死生観の変化~「人事を尽くして天命を待つ」~

在宅生活支える医療・介護体制の充実

きずな貯金~地域でお互いを見守りあう体制~

 

今後、超高齢化社会を迎える日本にとって非常に参考になる一冊。

 第2位「気仙沼ニッティング物語」

気仙沼ニッティング物語:いいものを編む会社

本書は、1着15万円のカーディガンに予約が殺到し、初年度から黒字を達成した「気仙沼ニッティングについての1冊。著者は、御手洗珠子さん。

マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、2010年ブータン王国初代首相フェローに就任。観光産業を育成し、1年でブータンGDPを3%押し上げた。ブータンの日常をリアルに描いた『ブータン、これでいいのだ』がベストセラーに。東日本大震災後、ほぼ日刊イトイ新聞の震災復興支援プロジェクトの一環として「気仙沼ニッティング」を設立。品質をとことん追求し、1着15万円のカーディガンに予約が殺到。初年度から黒字化を達成

本書では、

・「被災地が復興する」とは

・「地方から価値を生み出す」とは

という問いについて考えを深めることが出来ます。

 

人柄が伝わってくる柔らかい文章の中にも、著者の鋭い視点が盛り込まれていて、非常に勉強になりました。オススメです。

第1位「経済学者 日本の最貧困地域に挑む」

経済学者 日本の最貧困地域に挑む

本書は、経済学者ある鈴木亘教授が、多数の利害関係者を巻き込みながら、誰も手を付けられなかった、日本最大のドヤ街「あいりん地区」の地域再生に挑む物語。

長年にわたって多くの問題が蓄積され複雑に絡み合っているあいりん地域の改革は、まさに「ミッション・インポッシブル」。歴代の大阪市長たちはみな、まともに向き合おうともせずサジを投げてきた。

西成特区構想を推進するリーダー役として、ひょんなことから一介の経済学者にすぎない私(筆者)に白羽の矢が立った。2012年3月から2015年11月までの3年8か月にわたって現場の陣頭指揮をとり、あいりん地域の改革実行に文字通り汗を流した。本書は、その体験を綴った「回想録」というより「戦記」である。(本書冒頭より引用)

筆者が語る本書のテーマは以下の2点。

①改革の「実行

本書においては、行政不信の者も多い中、利害関係者をいかに巻き込み、改革を実行していくかというプロセスが描かれています。生々しい人間ドラマです。

何をすべきかがわかっていることと、それを実行に移すことは次元の違うこと。本書では、私の3年8か月の体験をなるべく一般化しながら、改革実行に必要なノウハウ、テクニック、戦略・戦術、段取りなどの方法論を、実践的に描き出すことにつとめた。(本書より引用)

②「社会の正しい縮み方」を探る

今後の超少子高齢化社会を迎えるにあたっては、現在の居心地の良い仕組みを離れ、縮みゆく時代の新しい仕組みを作る必要があります。

 

あいりん地域は、日本の「最貧困地域」であり、「課題先進地」。本事例は、日本の多くの地方や、日本全体のヒントになると思います。

 

2016年56冊読むことが出来ました。

来年も精進していきたいです。