東京大学体験活動プログラムに参加。
山中温泉「かよう亭」へ。
広大な敷地1万坪にたった10室、そして顧客の71%がリピーターという旅館の哲学に迫ります。
・山中温泉「かよう亭」とは
山中温泉「かよう亭」は、自然と共存する静かな全10室の宿。
モットーは、「賓至如帰」
お客様(賓)が宿においで(至)になり、
あたかも故郷の我が家に「帰」られたかの「如」き寛ぎを覚える、
つまり自分の家に帰ったかのように安らげる宿を目指しているとのこと。
・唯一生き残るのは、変化する者
印象に残っている言葉は、総支配人が引用されたダーウィンの格言。
最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き残るのでもない。
唯一生き残るのは変化する者である。
この姿勢は、かよう亭の創設の歴史にも読み取ることが出来ます。
・創設の経緯
大型旅館の最盛期であった1970年代、
時代に逆行し、
先代の客室40室・最大収容人数200人の旅館を廃業。
約4年かけて、広大な一万坪の敷地にわずか10室のかよう亭を作ったとのこと。
加賀温泉では、時代に対応しきれず、廃業が続いた旅館が多かったということを踏まええると、かよう亭には先見の明があったということなのでしょう。
明治以降、特に戦後の高度経済成長優先の中で失い続けてきたもの、すなわち本来の日本の文化の蘇生が大切だという教えであろう。それが地方に残っている。
地方の観光地ましてや心身の蘇生の温泉と温泉文化の生きているそれぞれの地には前述のごとく日本の喧騒の大都市生活者も含めて世界の人が訪れ続けてくれる大切なものが残っている。
21世紀の日本の観光の主役は地方であると信じたい。
(かよう亭亭主のお言葉より引用)
変化に対する対応力というお話は、かつて北海道ニセコ町でもお話伺ったことを思い出します。
・Articians for the Future
かよう亭を支える食材、器、お酒、調度品などはすべて本物。
「職人未来塾」と名付けられた食材の生産者や職人集団は、業者ではなく、同志。
二人三脚で宿を支えています。
・工房千樹
繊細な筋が入っているのがご理解いただけるでしょうか。
今回は、山中漆器を手がけてらっっしゃる工房千樹さんに訪問。
ずばり、感動の一言でした。
予想を上回る幾度もの作業工程、見せていただいた繊細な職人技、
山中漆器は一生ものと言われる由縁が理解できました。
漆塗りだけでも、なんと20回も繰り返し行うのです。
印象に残ったのは、木の性質への理解の深さ。
どんな場合にどんな種類の木を、どのような方向から使うか、ということを理解なさっていて、奥深さを感じた次第であります。
・本物に触れる
社会人駆け出しで、経済的にも余裕はありませんが、
なるべく本物に触れて、センスを磨きたいと強く感じた次第でした。
石川赴任中に、是非一度宿泊したいものです。
皆さんも是非宿泊なさってみてはいかがでしょうか。