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薩摩の國から

地域づくりを中心に様々なテーマについてまとめていきます。

アジアの都市と屋台 −屋台を通じて都市を楽しむ

勉強会

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春休みにも入り、久しぶりに三文会に参加してきました!(三文会についてはこちらの記事でまとめています。)

今回のゲストスピーカーは、東京大学新領域創成科学研究科で教鞭を執られる出口敦教授

専門は都市設計学であり、東京大学工学部都市工学科卒・同大学院博士課程修了 (工学博士)。

東京大学工学部助手、九州大学助教授、教授を経て、2011年4月より 現職。僕が2月に訪れた柏の葉のUDCK、UDCT、UDCICのセンター長も務められています。(柏の葉の参考記事はこちら

今回のテーマは、「アジアの都市と屋台 −屋台を通じて都市を楽しむ」でした。

・屋台とは
屋台とは、皆さん知っての通り、屋根が付いた移動可能な店舗です。
屋台は都市文化食文化をあらわしていて、自然の寒さを背中に感じながら、コミュニケーションを取りつつ、美味しく料理を食べることが出来るという良さがあります。

・屋台を制限する3つの法律とは
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実は、日本において屋台は3つの法律によって制限されています。

?道路法
?道路交通法

これらの法律は税金を用いた公共の場である道路において、商売をしてはならないという趣旨です。
屋台の営業は、道路交通法に基づく道路使用許可が必要であり、使用許可手数料を収める必要があります。
営業できる範囲も定められ、店外にテーブルやビールケースを出したり、歩道を占拠する営業は違法となるなど、規制があります。
営業時間外、路上に放置する事は禁止されており、保管場所へ移動させなくてはならないのです。

常設の(「屋台」ではない)小さな店舗を集めた「屋台村」と呼ばれる施設や飲食店街は、一切これらの法律には違反しないということになります。

?食品衛生法
食品衛生法では主に二つ規制があります。

調理場を固定する必要があること
生ものの禁止(従って、刺身の提供は不可です)

です。

以上3つの法律の規制がかかっています。

・福岡で合法的に屋台が行われている理由
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福岡では、日本では例外的に、屋台合法的な存在として扱われています。
背景としては、屋台が属する組合を主体として、上記に見られる法律上の権利を勝ち取ってきたということがあります。キーパーソンの働きも大きいとのことでした。

福岡市は、当初、屋台は観光資源でもあるため、道路使用許可の条件に満たない屋台の使用許可に関してもなかば黙認していたが、その存在を法的に認めていたわけではありませんでした

このグレーゾーン状態を解消するため、1996年から福岡市は「屋台問題検討会」を発足させ、基本方針を検討。2000年5月18日に「福岡市屋台指導要綱」を告示。屋台を合法的な存在と認める代わりに、屋台に関する様々な規制を明確化し、要綱に合致しない屋台の移転・再配置を明示したのですね。

・稼ぎについて

鄯駐車場代
屋台専用の駐車場は、地区の屋台が共同でレンタルすることが多いです。

鄱引き屋さんへの代金
「引き屋」と呼ばれる人が、バイクや人力で屋台を運び、決まった場所に届けてくれます。

鄴道路使用許可の代金
道路交通法に基づく道路使用許可が必要であり、使用許可手数料を収める必要があります。

鄽水道代、電気代
屋台で使用する水は、近くのビルと契約し、分けてもらうことが多いそうです。電気は路上にあるコンセントから契約で引いています。路上にコンセントがあるのがびっくりです!

酈人件費

以上5つの経費が掛かりますが、固定的店舗に比べ比較的少ないと思われるので、儲かるところは儲かるとのことでした!

余談ですが、屋台車の値段はおよそ200万円らしく、高級車並です(笑)

帯広市の屋台
屋台の弱点は、です。帯広は福岡に比べて、晴れている日が多くて向いているのですね。
帯広は、民地を利用しているため、上記の3つの法律のうち、??の条件をクリアしています。?に関しては、接客部分だけ移動させる、固定する調理場で作ったものを提供という手法を用いています。

・アジアの屋台都市
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中国天津市都心部ジョグジャカルタのマリオボロストリート、マラッカのジョンカーストリート、プサン等のアジア都市におけるそれぞれの仕組みも紹介していただきとても興味深かったです。


・屋台の段階的発展論
固定的店舗と比較した場合の屋台の客単価が、安い段階から高い段階へと移り変わっていくということでした。

安い段階というのは、農村から街に稼ぎに来たような場合で、仕事がないため、固定店の飲食店と比較して低投資で取得が可能で、客が多い日時にだけその場所に出店できるという利点を生かして道路で屋台をするという段階です。

高い段階になると、屋台に厳格な態度を取った日本、もしくは観光資源として有効活用しようとした台湾のように分化していくとおっしゃっていました。

他の都市とも比較してみるとより興味深いかもしれませんね。

・得られた視点
これまでは、一日の中で街がどのように変化するかということを抜きにして、どのような仕組み、モノが良い街を作り出すかという視点から主に考えていました。

今回のお話を通して、一日の流れの中で街がどのように変わっていくかという視点に気付くことが出来、本当に良い機会となりました。昼と夜では街の様子が全然違うんです。朝は通勤客が行き交い、夜は人々の活気で賑わいます。

あー、屋台でラーメン食べたい(笑)